春の事件簿 其の八


最終通告書は 本日 常行親子が手にするであろう


キキ☆たちは カレシの調子も良くなってきたので
久しぶりに日帰り温泉に出かけた…
自宅近郊とあって かなりのんびりすごした
 
奮発して 足マッサージなんかしちゃったりして
そして ちょっと気になっていた青森居酒屋で 呑んで帰ることに…


おいしいお酒
おいしいツマミ
「あーひさしぶりに のんびりしたよね〜」
とか なんとか言って 
ホントひさしぶりにカレシと笑って呑んでいた


ピカピカピー☆


ん?この着信音は…なぞの番号からだ 誰や一体…
普段 キキ☆は知らない番号は 一切出ない
常に留守録機能をセットしているので 
そこにメッセージを入れる人にしか電話もかけなおさない

が この時は 出ちゃったんですョ

予感ですかね?


バカ母「常行ですけど…」


ああ 予感はあたった…



バカ母「なんか2通目のお手紙来たんですが
    …どんな内容送ってできたんですか?」



どーやら 不在で郵便局に持って帰られちゃったらしい


キキ☆「ご連絡いただけなかったんで お話し合いする気がないと判断しました
    なので 第三者に間に入って頂いて貰いますと言う内容です」


バカ母「第三者って どー言うことですか?!」


キキ☆「弁護士さんです そちらも弁護士さん立てて頂いて結構ですので」


バカ母「事件が会った後 そちらからお手紙頂く前に
    『公安の山田さん』って方から電話があったんです」




はぁ?誰じゃそれ??



おとなしく聞いていると こう言い出した




『そちら(キキ☆たち)から頼まれた 公安の山田という者だが
 今回の事は「事を荒立てない」から治療費に
 上乗せしてやってくれって言うんです
 あんまり怪しいので そちら(キキ☆)から
 お手紙頂いても 連絡できなかった』



キキ☆「あのーそんな知り合いもいませんし 
    今回の事件の事は まだ示談相談中にもなっていないので 
    誰にも話しておりませんが?」



バカ母「じゃあ 一体誰が そんな電話かけてくるって言うんですか!(怒)」



キキ☆「第一 公安ってなんなんですか?

    公安なんて今回のことで関係ないじゃないですか?」

あんたのバカ息子が ブラックリストに載ったテロリストだったら
公安がしゃしゃり出てくるのは 判るけどな

しかし 感情的になってる バカ母はキキ☆の言葉など 一切聞いておらず
まったくお話にならない


キキ☆「とにかく こちらは山田なんていう知り合いは一人としていません」


バカ母「キキ☆さんの事を信用しないわけじゃないけど 
    当人と代わってくださいよ!」

しゃーなく カレシと電話を代わる

代わった途端



バカ母「あんたでしょ!人に頼んで


    あんな電話してきたのは!!」



どこまでバカなんだ…私より10年以上長生きしている人間とは思えない…
カレシの精神衛生に悪いので とっとと電話を取り上げる


キキ☆「判りました こちらがそんな電話していない 人にも頼んでないと
    信じて貰えないなら もうお話し合いになりませんね
    長引くことは避けて穏便に済ませたかったですが    
    こちらは今 弁護士を探していますので間に入っていただきましょう」


キキ☆「常行さんの方も 弁護士さんに相談してください
    警察のほうには 弁護士さんと相談して告訴することにいたします」


この「告訴」で効いたのか ギャンギャン叫んでいたのが止まった


バカ母「じゃあ 一体誰なんですか?あの電話…」



知るか!アホッ
自分の息子のやってきた過去を思い出せ


キキ☆「だいたい 私どもは常行さんから電話番号教えていただいてませんョ?」



バカ母「教えましたよ!ちゃんと住所と電話番号書きました!」



キキ☆「教えていただいてませんよ?
    その時のメモ保存してますから送りましょうか?
    第一電話番号知っていたら 書面を送ったり配達記録つけたり
    そんな時間のかかる まどろっこしい事していませんよ」



バカ母「…じゃあ電話番号教えたのは バーの人にだったかしら…」



キキ☆「とにかく こちらは山田なんて人知りません 
    常行さんの電話番号も知りません!
    もしまた そんな電話かかってきたら 
    警察にでもなんでも連絡して調べて貰ってください」



バカ母「その電話の内容は 録音してあるんですョ」




「こちらは公安の者だ」
「治療費に上乗せしろ」
「支払って貰う額を決めたいから 
 ご主人の所得証明をよこせ」



アホか まったくもってアホな電話


キキ☆が最初に送った示談条件に書いた金額は 

「治療費を含めた損害金を 
   全額で10万円一括で支払ってくれ」



だ・ぞ?


もし キキ☆たちが人を雇って そんな電話をかけたとしてだ
10万円なんて格安の示談金請求するか?


ちょっと 脳みそと冷静さがあれば 判るだろ?


キキ☆「弁護士に相談するなり 警察に訴えるなり好きにしてください
    こちらは 一切後ろめたい事などしていません!
    言っておきますが カレシも私に隠れて そんな事は絶対しませんっ!」


ここで電話を叩き切りたかった
つか さっきまで美味い酒を呑んでいたのだ
桃川の にごり酒だョ?
随分と以前に 呑む機会を失って…ずっと呑みたかったお酒なのョ

そこに 居酒屋の兄ちゃん手作りの「鮭とば」これが絶品だったのよ?



バカ母「わかりました 10万円お支払いします
    そのかわり キキ☆さんひとりで受け取りに来てください!
    もう そちらのカレシさんと顔合わせたくないんですよ!
    判っていただけますよね!?」




その言葉…


そっくりそのまま 


返してやるわっ!



それどころか お前みたいなバカと話したくもないんぢゃ!


ボケ!!


しかし キキ☆は大人なので
(つか バカは店で 客で…いっぱい見慣れているのと 話しなれている)
ぐっと その言葉を飲み込めた!



いやぁ〜今ほど歌舞伎町の
吉野家で働いていて役に立ってる事はない!



結局 バカ母の都合で キキ☆が五反田まで出て行くことになった
なんで キキ☆が相手の都合に…加害者の都合にあわせにゃいかんのだ!!
と カレシも怒った
と 後日 職場連中も不思議がった

いいんだョ!1日1時間1分でも 早く縁を切りたいのだよ!

帰宅後 せっせと 示談書を作成する
いよいよ 決戦!


あっそうそう 常行バカ母の 最高の捨て台詞


「もう うちの息子も!
  お宅のカレシも!! 疫病神よね!」